A Better Project@はてなダイアリー(インポート版)

基本的にここは更新されません。詳細はaboutへ。

Gecko DOM Reference のリダイレクトを修正

MDC-ja 通信 vol.18 を作っているときに、先月末の Gecko DOM Reference のリネームと移動が同時に行われてしまった事故(dev.mdc の該当投稿私の説明ツイート)の影響で修正されていない問題を見つけたので、それを修正しました。その作業に時間を取られたため、MDC-ja 通信 vol.18 の発行は来週末に延期します。
修正内容は、過去に英語版の DOM Reference の個別ページを移動した際のリダイレクトが先月の事故で切れてしまった(そこまでは復元しなかったということだと思います)ことへの対応です。
element オブジェクトのいくつかのプロパティ、メソッドは、Node オブジェクトのものを継承しており、それらは、element.foo として最初は作成されましたが、ある時期に、Node.foo に移動する作業が行われました。
日本語版を含む、他言語版は、移動作業前に翻訳されたページが多く、言語間リンクの英語版も element.foo になっていました。
つまり、英語版のリダイレクトが機能しなくなってしまうと、言語間リンクのリンク切れが発生してしまう状態になってしまうため、英語版で移動前のページをリダイレクト命令の中身(redirect=no で見れるページのソースを見るとわかります)だけで再作成し、リダイレクトを復活させました。言語間リンク bot が機能していない現状、言語間リンクをすべて修正するという作業は膨大な時間がかかるため、そちらの方法は採用しませんでした。
他のオブジェクトでも同じような現象が起きているかもしれませんが、チェックしていません。また週末にチェックしようと思います(まず通信を発行してから)が、見かけたら、修正するか、報告をお願いします。

MDC の今後の予定

MDC リーダ Eric Shepherd (Sheppy) の ブログに 1/21,22 と連続して投稿された記事 2 つについての簡単な要約です。
まず、21 日の "Documentation planning: Improving our references" について。
MDC の CSS Reference への貢献者としては Teoli(Jean-Yves Perrier) が有名ですが、先月、彼が Mozillaテクニカルライターとなり(ソース)、引き続き、CSS Reference の改善を進めていくようです。彼は以前から CSS Reference の改善に力を入れて取り組んでいるので、今後も期待して良いと思います。
今後、彼の この CSS Reference への取り込みを、他のリファレンスへも拡げようという計画のようです。リファレンスの候補として、以下が挙げられています。

ちなみに、これらのリファレンスについての日本語版の状況ですが、SVG Element Reference と MathML Element Reference については、日本語版が存在せず、HTML Element Reference については、個別ページの翻訳はまだ少ない状況ですので、翻訳者を大募集中です。DOM Reference については、古くからあるので、どちらかといえば充実している方ですが、さらなるページの充実や古いページの更新をしてくださる方がいれば、歓迎します。
さらに、「MDN everywhere」と称して、モバイルデバイスでも見やすいようにするという目標も挙げられています。
次に、22 日の "Reorganizing MDN documentation" について。
新しいドキュメントページの階層構造が etherpad で公開されています。今後のページの移動に関しては英語版の貢献者メンバーの方で進めていくと思いますが、そちらへの参加も歓迎ですし、英語版の移動が正式に済んだ時点で、日本語版を追随する作業についての協力も歓迎します。
最後にもうひとつ。先週、DOM Reference で、上位ページのタイトルをリネームしただけで下位階層にあるページも全部移動してしまったという事故が起きました(事故を伝える dev.mdc への投稿)。
なぜページ名のリネームだけでこんなことになったかというと、DekiWiki の仕様変更により、タイトル名の変更と同時にページも移動することがデフォルトになったためです。詳細は、私の過去のメールその 1私の過去メールその 2 を参照してください。この事故の再発を防ぐために、ページ名の変更の際には、十分ご注意ください。

MDC の新システム移行への現時点での予定

MDC リーダ Eric Shepherd (Sheppy) のブログ投稿の簡単な要約です。MDN (Mozilla Developer Network) 全体ではなく、MDC (Mozilla Doc Center) に限定した話題です。
現在、MDC は、Kuma (Mozilla Wiki のページ)と呼ばれる、新システムへの移行を進めようとしている段階にあります。以下は、現時点での今後の予定をまとめたものです。小見出しは Sheppy のブログ記事の小見出しと対応しています。

Scripts and templates

最近始めたものとして、テンプレートの移植というものがあります(bug 71028)。現在のシステム (MindTouch DekiWiki) のテンプレートは DekiScript と呼ばれる、独自のスクリプトによって実現されています。DekiScript はそれなりに俺々仕様の言語(基本的な文法は、過去にこのブログでもまとめています)なので、新システムでは、サーバサイド JavaScript が良いのではないかという案が出ているようです。
また、Sheppy のブログ投稿を引用すると、

we can clean up existing templates to work better, be smarter, and integrate localization support in templates that don’t currently have it.

という予定になっています。現時点でのテンプレートはローカライズし難いものなので、その改善はぜひとも期待したいところです。

Future development

サンプルを実際に実行できるようにするための、サーバ側コンポーネントのサポート、コンテンツを様々な形で利用しやすくするなど、色々書いてあります。ローカライズ関係としては、

We need good localization tools, such as dashboards of content in need of translating, support for comparing the English and translated versions of a page to find the areas that need reviewing, and so forth.

とあり、現在の SUMO のような翻訳システムが実装されることになるのだと思われます(Kuma は SUMO のシステム Kitsune を元にしています)。英語版との対応が自動化されていないのが、現システムの欠点の一つなので、これは利用者にとっても、翻訳者にとっても、役に立つ、重要な機能です。

Let’s make it happen!

今年から少しづつ移行を始めるものと思われますが、まだ最初の段階です。ローカライズ関連など、足りないものなどがあれば、直接意見を出すか、私など、MDC 日本語版関係者にお知らせください。

2011年最後の更新

2011 年の記事を振り返ると、1 月、2 月は、それなりに色々やっていたのだなあと思うのですが、3 月 11 日の震災以降、ずっと落ち着かない日々になってしまったなあという 1 年でした。
来年はどうなるか、はっきりとはわかりませんが、色々と放置しているのが Web 上にけっこうあるので、それをまずなんとかしよう、というのが、来年の目標です。
Mozilla の今年の出来事としては、Firefox 4 のリリースも感慨深かったですが、高速リリースへの移行が今年は一番大きな出来事だったと思います。とまどいはありましたが、慣れてしまえば、個人で使う分には、問題はないのかなと思います。
今年も、色々な方にお世話になり、感謝します。みなさん良いお年を。来年もよろしくお願いします。

MDC-ja 通信 Vol.17

今年最後の MDC-ja 通信となる、 Vol.17 です。
今年も色々ありました。Mozilla の今年の最大のニュースは、やはり、高速リリースへの移行でしょう。Firefox は今年で 7 周年を迎えましたが、それを既に追い越し、来年もどんどんバージョンナンバーが上がっていきます(詳細は、Mozilla Wiki にある高速リリースカレンダー を参照)。
以下、今号の目次です。

  • MDC-ja 通信は 6 週間毎の発行に
  • Firefox 9、Thunderbird 9 が 12/20 にリリース
  • Mozilla Vision 2012 が 2012/1/21、1/22 に開催
  • 最近、日本語で翻訳、更新されたドキュメント
  • MDC-ja 通信について

MDC-ja 通信は 6 週間毎の発行に

今後の MDC-ja 通信ですが、Firefox の高速リリーススケジュールに合わせて、6 週間毎の発行にしようと思います。Firefox がリリースされる週の土曜(日本時間)に発行することにし、vol.18 は 2012 年 2 月 4 日発行の予定です。
なお、発行周期に合わない情報は、不定期に特別版として発行するか、通信ではない単一記事としてこのブログに書くつもりです。

Firefox 9、Thunderbird 9 がリリース

Firefox 9、Thunderbird 9 が米国時間 12/20 にリリースされました。
Firefox 9 の特筆すべき変更点は、JavaScript エンジンに「型推論」が導入されたことです。これにより、ベンチマーク結果で最大 30% の高速化を実現しています。型推論の概要については、Mozilla Future Releases ブログの型推論の紹介記事 (modest での dynamis さんによる翻訳) を参照してください。
その他の新機能など、リリースの詳細は、Mozilla Japan ブログ、MozillaZine.jp の記事を参照してください。

もう一方の Thunderbird 9 の特筆すべき変更点は、Personas の対応部分の拡大です。新たに、メッセージ編集ウィンドウとアドレス帳ウィンドウが Personas に対応しました。
その他の新機能など、リリースの詳細は、Mozilla Japan ブログ、MozillaZine.jp の記事を参照してください。

Mozilla Vision 2012 が 2012/1/21、1/22 に開催

Mozilla Japan は、来年の 1 月 21 日(土)、22 日(日)に、例年行われてきた Firefox Developers Conference をさらに拡大したイベントとして、Mozilla Vision 2012 というイベントを開催します。
1 日目は、例年通りの開発者向けの講演に加え、「オープンエデュケーション」など、Mozilla Project が目指す "Open Web" の理念の下で広がる様々なインターネットの可能性を見据えたテーマを取り上げるイベントとなっています。
また、カンファレンス会場のラウンジ内には、「オープンな考えを用いた新しい取り組み」をテーマにしたデモを行う展示コーナー (Demo Pit) も設置する予定で、現在、出展者を募集しています。また、ライトニングトークも行われますので、そちらの発表者も募集中です。
2 日目は、参加型のワークショップ形式で、子どもから大人までお楽しみいただける楽しいワークショップとなるとのことです。
1 日目は申し込みが必要ですが、2 日目は申し込み不要となっています。詳細は以下の公式サイトを参照してください。
Mozilla Vision 2012

最近、日本語で翻訳、更新されたドキュメント

前号から今号までの間に翻訳、更新されたドキュメントをいくつか紹介します。
DOM Storage
woby さんによる更新です。DOM Storage は、Cookie よりも大容量で、より安全かつ簡単に情報を保存できるように設計された、Web アプリケーション向けの Storage API です。英語版の最新版が反映されています。
Javascript typed arrays
yyss さんによる翻訳です。JavaScript の型付き配列は、生のバイナリデータをより効率的にアクセスする機能を提供します。
Object (JavaScript Reference)
sanayuki_s さんによる更新です。英語版の最新版の更新が反映され、ECMAScript 5 になって追加された各種プロパティ、メソッドが追加されています。

MDC-ja 通信について

MDC-ja 通信は MDN Doc Center (MDC) とその日本語版の現状およびその関連情報をお伝えする通信です。

原則として、Firefox の最新版がリリースされた週の土曜夜に発行予定です。次号は 2012 年 2 月 4 日発行予定です。

この通信について、ご意見、ご要望がありましたら、potappo、または、MDC 日本語版 ML までお気軽にお寄せください。

MDC-ja 通信 vol.16

すっかり隔月化してしまっている MDC-ja 通信の Vol.16 です。
相変わらず、色々と落ち着かない日々ですが、そろそろ月刊に戻したいところ。
以下、今号の目次です。

  • Firefox 8 がリリース
  • Thunderbird 8 と Lightning 1.0 がリリース
  • Mozilla 勉強会@東京 6th が開催されました
  • Firefox Hacks Rebooted が発売
  • MDN ドキュメントでのブラウザ互換性の考慮
  • 最近、日本語で翻訳、更新されたドキュメント
  • MDC-ja 通信について
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MDC-ja 通信 vol.15

8 月は夏休み前も忙しかったり、夏休み後も色々と落ち着かない日々を送っていたので、今号も 2 ヶ月振りの更新となりました。
震災から半年経ちました。個人的には仕事の方で影響を実感している日々が続いていたりするのもあり、復興にはまだ遠いという思いが強い一方、前向きに進んでいかないといけないなと思います。
以下、今号の目次です。

  • Firefox 6 と Thunderbird 6 が 8/16 にリリース、7 は 9/27 リリース予定
  • 拡張開発環境の今後の予定
  • 最近の DekiWiki on MDC
  • 最近、日本語で翻訳、更新されたドキュメント
  • MDC-ja 通信について
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