A Better Project@はてなダイアリー(インポート版)

基本的にここは更新されません。詳細はaboutへ。

MDC-ja 通信 vol.20

発行スケジュールを変えつつも、いつの間にか 20 号目に達した MDC-ja 通信 vol.20 をお送りします。最初は月刊だったのが、本業が忙しくて隔月発行になり、モチベーション合わせなどのために高速リリースと同じ周期になって、今に至ります。
以下、今号の目次です。

  • Firefox 12、Thunderbird 12 が 4/24 にリリース
  • 新バックエンドシステムの今後の予定
  • 米国時間 5/8 に約 8 時間 MDN がダウンします
  • 最近、日本語で翻訳、更新されたドキュメント
  • MDC-ja 通信について
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米国時間 5/8 に約 8 時間 developer.mozilla.org (MDN) がダウンします

hacks ブログに今回の MDN 計画ダウンについての記事が出ました。時間帯および最新情報はそちらを参照してください。
MDN のヘッダに既に出ていますが、米国時間 の 5/8 に MDN (developer.mozilla.org) が約 8 時間停止する予定になっています。
Mozilla Wiki にある 4/30 付けの WeeklyUpdates によると、サーバーを新しいデータセンターに移動するためとのことです。
時間帯は明示されていませんが、米国時間の通常勤務時間帯に停止したと仮定した場合、日本時間では、8 日の深夜から 9 日の午前中にかけてと思われます。
停止中は、代替リファレンスサイトへのリンクなどの何らかのメッセージが表示されるかもしれませんが、まだ未定です(該当バグ)。
昔、localmdc というものがありましたが、modest のリニューアルに伴い、現在は落とせなくなっているようです。
JavaScript リファレンスに関しては、英語版だけになりますが、JSRef作者による記事) というサイトが MDN のドキュメントを元にして作られています(今年になって作られたものなので、ソースとなっているドキュメントはある程度新しいはず)。
日本語版では、4 年前と古いですが、HTML ヘルプ形式にしたものが公開されています(配布元記事)。
ご不便をおかけしますが、サイトダウンの際は、別サイトや上記のようなものをご利用ください。

Kuma におけるテンプレートのローカライズと DekiWiki から Kuma への移行予定

2012-04-27 21:00 頃追記:Kuma のテストスケジュールは検討し直しになりました(該当スレッド)。また、MDN Product Manager も新しい人に変わりました。最新の状況については、あとで別記事で書きます。
Mozilla Developer Center(MDC)、現 Mozilla Developer Network Doc Center (MDN の技術ドキュメントの部分)の新バックエンドシステムである Kuma の現状についての記事です。最新状況は、dev-mdn を参照してください。

Kuma におけるテンプレートのローカライズ

私がコメントをした、Kuma におけるテンプレートのローカライズの件ですが(該当バグ)、テンプレートを言語別にというのは見送られて、言語を判定するプロパティを判定することによる switch 文方式のみの実装となりました。div 形式が無くなって、テンプレートのローカライズ方法が一つに統一されたということだけでも成果かなと思っています。

DekiWiki から Kuma への移行予定

1 年をかけて少しづつ進めてきた Kuma の実装ですが、7 月 15 日(米国時間)に 現バックエンドシステムである DekiWiki のサポート契約が切れるのに伴い、それまでに完全に移行がなされる予定となっています。dev-mdn への投稿によると、以下のような感じです。

  • 4/24 : (Firefox 12 リリース予定日) Wiki 翻訳機能テストに向けた構築作業を開始
  • 4/27 : Test Day (Wiki 翻訳機能)
  • 5/8 : Minimum Viable Product (以下、MVP。「必要最小限の機能を備えた製品」を意味する、ベンチャー用語らしいですが、私は詳しくないので、詳細はネットなどで検索してください)としての Wiki 翻訳機能開発を終了。KumaScript (テンプレート機能)テストに向けた構築作業を開始。
  • 5/11 : Test Day (KumaScript)
  • 5/22 : MVP としての KumaScript 開発の終了。Kuma すべての機能のテストに向けた構築作業を開始。
  • 5/25 Test Day (Kuma すべての機能)
  • 6/5 : (Firefox 13 リリース予定日) MVP としての Kuma すべての機能の開発を終了。開発終了した Kuma を MDN のテスト用サーバに移行。
  • 6/19 : MDN を編集不可にして、コンテンツを移行、Kuma を本番サーバに移行。
  • 7/3 : Kuma の本番バグの修正作業
  • 7/15 : DekiWiki のサポート契約を終了
  • 7/17 : (Firefox 13 リリース予定日) Kuma の本番バグの修正作業、打ち上げ

Test Day は、Wiki 翻訳機能の日に関しては GW に入るので、時間は確保できそうな見込みですが、KumaScript 機能の日に関しては、日本時間の 12 日に予定が入っているので、参加は難しいと思います。Kuma すべての機能の日に関してはまだ未定です。
TestDay の詳細に関しては、dev-mdn、あるいは、直近では、4/25 に行われれる MDN Site Community Meetings (Mozilla Wiki の議事録) で告知されるはずです。
dev-mdn では、そもそも、翻訳者の予定と合うとは限らないのではないか?という投稿がなされているため、Wiki 翻訳機能の Test Day はリスケジュールされる可能性があるかもしれません。また続報が入りしだい、ここでも報告します。

MDC-ja 通信 vol.19

高速リリース合わせに移行して 2 号目となる Vol.19 です。
今まで携帯はいわゆるガラケーを使っていたのですが、時間ができたのを利用して、Android スマートフォンに機種変しました (auMotorola Razr)。AndroidFirefox も入れてみようと思っていますので、今後、そちらの新機能についても書けるかと思います。
以下、今号の目次です。

  • MDC-ja 通信の発行スケジュールの再変更
  • Firefox 11、Thunderbird 11 が 3/13 にリリース
  • 新バックエンドシステムの開発状況
  • 翻訳ガイドをリニューアル
  • 最近、日本語で翻訳、更新されたドキュメント
  • MDC-ja 通信について
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DocFest 2012 Feb. に参加してきました

集中して翻訳作業が出来たのはもちろんのことですが、Linux を中心とした、翻訳関連の話も色々と聞けて、とても有意義でした。ケーキとコーヒーもおいしかったです。
私の成果としては以下。
Template:SeeCompatTable
仕様がまた固まっていない「実験的機能」のドキュメントに最初に表示されているヘッダブロックを日本語版対応にしました。
Template:Method nonstandard
非標準のメソッドのためのテンプレートです。[] で利用されているのを確認しています。
JavaScript Language Resources
Mozilla における ECMAScript 5 のサポート
2011 年 6 月に承認された EcmaScript 5.1 に伴う修正が行われている英語版の最新版を反映しました。
このリファレンスについて (JavaScript Reference)
Firefox 4 の Mozilla 独自の JavaScript のバージョンである JavaScript 1.8.5 を追記した英語版の最新版を反映しています。
快適な会場を提供してくださった、KDDIウェブコミュニケーションズさん、ありがとうございました。
その後、3 次会まで参加。2 次会は最後に全員本気の自己紹介をするという不思議な展開でしたが、色々な話が聞けて楽しかったです。

「DocFest 2012 Feb.」 向け MDC-ja の紹介

以下は、2/25 に行われる「DocFest 2012 Feb.」(イベント告知ページ)向けの自己紹介資料です。
イベント開始時間まで随時追記される可能性があります。

自己紹介

potappo (@potappo)

  • Firefox 2.0 が出た頃に、MDC (旧 Mozilla Depeloper Center、現 Mozilla Developer Network / Mozilla Doc Center) のマイクロサマリ(現在の Firefox ではドロップされた)の正規表現利用ドキュメントを翻訳したのが最初。
    • そのまま JavaScript リファレンスや DOM リファレンスに手を出す。
    • shimono さん (@himorin) の後を引き継いで、MDC 日本語版リーダーになる。
    • about:mozilla ニュースレター(発行開始から 1 年間ぐらい)の翻訳などもしていた。
  • 最近は、翻訳より、状況まとめ、メンテナンスの作業の方が多い。
    • MDC-ja 通信を発行。毎月発行だったが、毎月書けなくなったのと、話題を確保するために、Mozilla高速リリースサイクルに合わせるように変更。
    • ページ移動したり、削除したり、テンプレートのスクリプトをいじったり。
    • レビューは頼まれればやる。MDC は、現状、レビューは必須ではない。
      • 英語版でレビューシステムが実装されれば、日本語版もそうなる。

今日やりたいこと

  • テンプレートの翻訳。
  • JavaScript 関連。

MDC-ja とは

MDC 日本語版を運営するコミュニティの名称。翻訳参加のために参加することは必須ではないので、現在の正式メンバーは 2 名。

MDC 翻訳の現状

  • 参加者は変わるが、だいたい数名で翻訳が行われている。
  • 現在のバックエンドシステム (DekiWiki) は不安定かつ使いやすいとはいえない。
  • 今年中に新システムに移行する予定。

MDC-ja 通信 vol.18

高速リリーススケジュールに合わせてから初めての発行となる vol.18 です。
先週ほとんど作っていたのですが、DOM Reference への対応で、1 週遅れの発行となりました。
以下、今号の目次です。

  • Firefox 10、Thunderbird 10 が 1/31 にリリース
  • MDC の今後の予定
  • DekiWiki でのページ移動の仕方
  • 最近、日本語で翻訳、更新されたドキュメント
  • MDC-ja 通信について

Firefox 10、Thunderbird 10 が 1/31 にリリース

Firefox 10、Thunderbird 10 が米国時間 1/31 にリリースされました。
Firefox 10 では、アドオンの互換性チェックの方法が柔軟な方向に変更になった他にも、CSS 3D Transforms の実装(MDC 英語版記事。日本語版は更新されていません。)、フルスクリーン APIMDC 日本語版記事)の実装など、多くの新機能、変更点があります。これらは実験実装であるため、他ブラウザの実験実装と互換性があるとは限らないことに注意してください。
また、新たな Web 開発者ツールとして、調査ツール(MDC 日本語版記事)が追加され、従来からあったツールであるスクラッチパッド(MDC 日本語版記事)は、シンタックスハイライトなどの機能を持つ Eclipse Orion をエディタとして利用するようにするなどの改良が行われています。
その他の新機能など、リリースの詳細は、Mozilla Japan ブログ、MozillaZine.jp の記事を参照してください。

もう一方の Thunderbird 10 では、検索窓と右クリックメニューから、Thunderbird 上の新しいタブ での Web 検索が可能になるという新機能が追加されています。利用できる検索エンジンはデフォルトでいくつか用意されており、検索結果のタブの左サイドバーから切り替えることができます。
その他の改良点やリリースの詳細は、Mozilla Japan ブログ、MozillaZine.jp の記事を参照してください。

また、FirefoxThunderbird ともに、このバージョンを元にして、法人向け延長サポート版の提供が開始されました。詳細は、Mozilla Japan のページを参照してください。
Firefox/Thunderbird 法人向け延長サポート版 (ESR) のダウンロード
なお、次のメジャーリリースとなる 11 Beta、Aurora 12 についても、マージ作業が終わっています。新機能の紹介などについては、以下の記事を参照してください。

MDC の今後の予定

MDC リーダの Eric Shepherd (Sheppy) が自身のブログに MDC の今後の予定について、1/20 から 1/22 まで連続して 3 つの記事を投稿しました。私のブログで 2 つの記事にまとめています。

MDC は現在 DekiWiki というバックエンドシステムを使っていますが、これを新しいバックエンドシステム(コードネームは Kuma。SUMO のバックエンドシステム Kitsune に由来するものですが、なぜ日本語の動物名なのかは私は知りません) に置き換えようという作業が進んでいます。これについて説明しているのが最初の記事です。テンプレートを新システムに移行することなどが予定されています。
MDC でのドキュメンテーションを専門に行う MozillaテクニカルライターCSS リファレンスで以前から貢献していた Teoli(Jean-Yves Perrier) が去年の 12 月から加わり、CSS リファレンスだけでなく、他の各リファレンスも内容を充実させていくことになりました。また、ドキュメント全体の新しい階層構造への移行も計画されています。これらについて説明しているのが、2 番目の記事です。リファレンスについては、日本語版の状況も書いてありますので、貢献に興味のある方は参考にしてください。

DekiWiki でのページ移動の仕方

前項のドキュメント階層構造の再構成にも関連しますが、DekiWiki での階層をまたがったページ移動はわかりにくいことから、DekiWiki でのページ移動の仕方について、日本語版の翻訳方法ページでの詳しい説明を追加しました。もっとわかりやすい説明方法があれば、ご意見ください。
DekiWiki でのページ移動の仕方

最近、日本語で翻訳、更新されたドキュメント

2012 年 1 月から今号までの間に翻訳、更新されたドキュメントをいくつか紹介します。
IndexedDB
sanayuki_s さんによる更新です。英語版の最新版の更新が反映されています。IndexedDB は、構造化された多くのデータを保存するクライアントサイドのストレージ API を提供するための技術であり、Chrome でも実装が進められています。

Writing forward-compatible websites
yyss さんによる翻訳です。新しいバージョンのブラウザの公開に対応できる Web サイトを記述する方法を説明しています。HTML5 への対応方法や、ベンダー接頭辞付きの CSS プロパティの注意点などがまとめられています。

WebGL best practices
edvakf さんのブログでの翻訳を marsf さんが移植したものです。WebGL を使ったコンテンツの互換性やパフォーマンスを高めるために参考になる Tips がまとめられています。

canvas (HTML ElementReference)
lmt_swallow さんによる翻訳です。Element Reference では、使い方の詳細は説明されませんが、基本的な仕様や、ブラウザの互換性についての情報が提供されています。

element.nodeValue (DOM Reference)
dextraさんによる翻訳です。element.nodeValue は、ノードの値をを返すメソッドです。テキストノードなど、値を持つノードから呼び出さないと意味がないので、実際には、element.firstChild.nodeValue などのように使います。

WeakMap (JavaScript Reference)
sanayuki_s さんによる翻訳です。WeakMapは、JavaScript の弱参照の試験実装です。弱参照を用いることで、メモリリークの防止などが可能になります。

MDC-ja 通信について

MDC-ja 通信は MDN Doc Center (MDC) とその日本語版の現状およびその関連情報をお伝えする通信です。

原則として、Firefox の最新版がリリースされた週の土曜夜〜日曜夜に発行予定です。次号は 3 月 17 日 or 18 日発行予定です。

この通信について、ご意見、ご要望がありましたら、potappo、または、MDC 日本語版 ML までお気軽にお寄せください。