A Better Project@はてなダイアリー(インポート版)

基本的にここは更新されません。詳細はaboutへ。

MDC-ja 通信 vol.19

高速リリース合わせに移行して 2 号目となる Vol.19 です。
今まで携帯はいわゆるガラケーを使っていたのですが、時間ができたのを利用して、Android スマートフォンに機種変しました (auMotorola Razr)。AndroidFirefox も入れてみようと思っていますので、今後、そちらの新機能についても書けるかと思います。
以下、今号の目次です。

  • MDC-ja 通信の発行スケジュールの再変更
  • Firefox 11、Thunderbird 11 が 3/13 にリリース
  • 新バックエンドシステムの開発状況
  • 翻訳ガイドをリニューアル
  • 最近、日本語で翻訳、更新されたドキュメント
  • MDC-ja 通信について

MDC-ja 通信の発行スケジュールの再変更

先号から Firefox のメジャーアップデート版がリリースされた週の土日に発行するように発行スケジュールを変更しましたが、それを再変更し、Firefox のメジャーアップデート版のリリースされてから 2 週間後の週の土日とします。
その理由ですが、メジャーアップデート版が出た最初の週でそのバージョンに関する技術ドキュメントの執筆、翻訳状況を把握し、必要な対応を行ってから、通信を発行した方が良いと思ったからです。この発行スケジュールは次号から適用されます。

Firefox 11、Thunderbird 11 が 3/13 にリリース

Firefox 11、Thunderbird 11 が米国時間 3/13 にリリースされました。
Firefox 11 の一番目を引く新機能としては、コードネーム Tilt で知られていた 3D ビューですが、他にも、Google Chrome からのブックマークなどのデータのインポートへの対応や、Firefox Sync でのアドオン同期の対応、XMLHttpRequest の HTML パース対応、などがあります。
その他の新機能など、リリースの詳細は、Mozilla Japan ブログ、MozillaZine.jp の記事を参照してください。

なお、AndroidFirefox 11 は、設計からの再作成が現在行われているため、リリースされません。次のメジャーリリースは 6 月 5 日予定の Firefox 13 になる予定です。
一方の Thunderbird 11 では、タブがメニューの上に配置されるという UI の変更が行われました。
その他の改良点やリリースの詳細は、Mozilla Japan ブログ、MozillaZine.jp の記事を参照してください。

次のメジャーバージョンとなる Firefox 12 の Beta についての情報は、以下の記事を参照してください。

新バックエンドシステムの開発状況

コードネーム Kuma と呼ばれる、新しい MDN のバックエンドシステムの開発が少しづつ進められており、この通信でも何度か取り上げています。
今年 の 2 月頃からテンプレートシステムの開発が本格的に始まり、SUMO のバックエンドである Kitsune とは違う、独自のものを開発しているようです。
そのテンプレートシステムは、KumaScript と呼ばれ、Node.js での実装が進められています。現バックエンドシステムである DekiWiki のテンプレートシステムである DekiScript が移植できること(少なくとも MDN で使われているもの)を目指しているようです。
Mozilla Wiki のページ
いくつかバグが立っているのですが(トラッキングバグ)、そのうち、テンプレート 1 つで複数の言語に対応するようにする (span 要素の属性により区別する仕組み)機能をサポートしようというバグ(該当バグ。立てられた当初の概要は "kumascript: Handle language alternate markup blocks")があり、テンプレートのローカライズがよく理解されていないと感じた私は、その仕組みをサポートするよりも、言語版毎にテンプレートが使えるようにすべきだ、とコメントしました。
MDN ドキュメンテーションリーダーの Sheppy などを交えた議論の後、概要が "kumascript: Support localization in template content" に変わっており、今後どうなるかはまだわかりませんが、このバグの今後の進み方によって、テンプレートのローカライズ方法が決定するかもしれません。進展がありしだい、続報をお伝えします。
なお、全体的な開発の進み具合は、Kuma 開発リーダーである Luke Crouch 氏のブログで読むことができますので、気になる人はチェックしてみてください。

翻訳ガイドをリニューアル

modest にも投稿しましたが(該当記事)、多くの方が MDN の技術ドキュメントの翻訳に参加できることを目指して、翻訳ガイドをリニューアルしました。
MDN 技術ドキュメントの翻訳について
現時点のシステム (DekiWiki) で必要な作業だけをまとめ、適宜ページも分離しています。
最近の積極的な貢献者の一人である saneyuki_s さんが私的イントロダクション記事を公開していますので、こちらも参考にしてください。

最近、日本語で翻訳、更新されたドキュメント

前号から今号までの間に翻訳、更新されたドキュメントをいくつか紹介します。
input (DOM Event Reference)
Masayuki さんによる翻訳です。Firefox 12 では、IME 入力中にもこのイベントが発生するようになる予定です(modest の記事)。
A re-introduction to JavaScript
Yuichirou さんが 2007 年に翻訳を始め、少しづつ進めていましたが、hokuto さんが途中で加わり、最終的に yyss さんが今年の 2 月に翻訳を完了させました。JavaScript の「再」紹介と題して、今まで誤解されてきた言語であった JavaScript の機能を文法ベースで紹介しているドキュメントです。
Style Editor
yyss さんによる翻訳です。Firefox 11 の新機能であるスタイルエディタについてのドキュメントです。
tree (XUL Reference)
woby さんによる更新です。英語版で追加されたサンプルコードの追加などが反映されています。
HTML in XMLHttpRequest
myakura さんによる翻訳です。Firefox 11 から、XMLHttpRequest で HTML のパースが可能になりました。この仕様について説明しています。

MDC-ja 通信について

MDC-ja 通信は MDN Doc Center (MDC) とその日本語版の現状およびその関連情報をお伝えする通信です。

原則として、Firefox のメジャーアップデート版のリリースされてから 2 週間後の週の土曜夜〜日曜夜に発行予定です。次号は 5 月 5 日 or 6 日発行予定です。

この通信について、ご意見、ご要望がありましたら、potappo、または、MDC 日本語版 ML までお気軽にお寄せください。