A Better Project@はてなダイアリー(インポート版)

基本的にここは更新されません。詳細はaboutへ。

MDC-ja 通信 vol.18

高速リリーススケジュールに合わせてから初めての発行となる vol.18 です。
先週ほとんど作っていたのですが、DOM Reference への対応で、1 週遅れの発行となりました。
以下、今号の目次です。

  • Firefox 10、Thunderbird 10 が 1/31 にリリース
  • MDC の今後の予定
  • DekiWiki でのページ移動の仕方
  • 最近、日本語で翻訳、更新されたドキュメント
  • MDC-ja 通信について

Firefox 10、Thunderbird 10 が 1/31 にリリース

Firefox 10、Thunderbird 10 が米国時間 1/31 にリリースされました。
Firefox 10 では、アドオンの互換性チェックの方法が柔軟な方向に変更になった他にも、CSS 3D Transforms の実装(MDC 英語版記事。日本語版は更新されていません。)、フルスクリーン APIMDC 日本語版記事)の実装など、多くの新機能、変更点があります。これらは実験実装であるため、他ブラウザの実験実装と互換性があるとは限らないことに注意してください。
また、新たな Web 開発者ツールとして、調査ツール(MDC 日本語版記事)が追加され、従来からあったツールであるスクラッチパッド(MDC 日本語版記事)は、シンタックスハイライトなどの機能を持つ Eclipse Orion をエディタとして利用するようにするなどの改良が行われています。
その他の新機能など、リリースの詳細は、Mozilla Japan ブログ、MozillaZine.jp の記事を参照してください。

もう一方の Thunderbird 10 では、検索窓と右クリックメニューから、Thunderbird 上の新しいタブ での Web 検索が可能になるという新機能が追加されています。利用できる検索エンジンはデフォルトでいくつか用意されており、検索結果のタブの左サイドバーから切り替えることができます。
その他の改良点やリリースの詳細は、Mozilla Japan ブログ、MozillaZine.jp の記事を参照してください。

また、FirefoxThunderbird ともに、このバージョンを元にして、法人向け延長サポート版の提供が開始されました。詳細は、Mozilla Japan のページを参照してください。
Firefox/Thunderbird 法人向け延長サポート版 (ESR) のダウンロード
なお、次のメジャーリリースとなる 11 Beta、Aurora 12 についても、マージ作業が終わっています。新機能の紹介などについては、以下の記事を参照してください。

MDC の今後の予定

MDC リーダの Eric Shepherd (Sheppy) が自身のブログに MDC の今後の予定について、1/20 から 1/22 まで連続して 3 つの記事を投稿しました。私のブログで 2 つの記事にまとめています。

MDC は現在 DekiWiki というバックエンドシステムを使っていますが、これを新しいバックエンドシステム(コードネームは Kuma。SUMO のバックエンドシステム Kitsune に由来するものですが、なぜ日本語の動物名なのかは私は知りません) に置き換えようという作業が進んでいます。これについて説明しているのが最初の記事です。テンプレートを新システムに移行することなどが予定されています。
MDC でのドキュメンテーションを専門に行う MozillaテクニカルライターCSS リファレンスで以前から貢献していた Teoli(Jean-Yves Perrier) が去年の 12 月から加わり、CSS リファレンスだけでなく、他の各リファレンスも内容を充実させていくことになりました。また、ドキュメント全体の新しい階層構造への移行も計画されています。これらについて説明しているのが、2 番目の記事です。リファレンスについては、日本語版の状況も書いてありますので、貢献に興味のある方は参考にしてください。

DekiWiki でのページ移動の仕方

前項のドキュメント階層構造の再構成にも関連しますが、DekiWiki での階層をまたがったページ移動はわかりにくいことから、DekiWiki でのページ移動の仕方について、日本語版の翻訳方法ページでの詳しい説明を追加しました。もっとわかりやすい説明方法があれば、ご意見ください。
DekiWiki でのページ移動の仕方

最近、日本語で翻訳、更新されたドキュメント

2012 年 1 月から今号までの間に翻訳、更新されたドキュメントをいくつか紹介します。
IndexedDB
sanayuki_s さんによる更新です。英語版の最新版の更新が反映されています。IndexedDB は、構造化された多くのデータを保存するクライアントサイドのストレージ API を提供するための技術であり、Chrome でも実装が進められています。

Writing forward-compatible websites
yyss さんによる翻訳です。新しいバージョンのブラウザの公開に対応できる Web サイトを記述する方法を説明しています。HTML5 への対応方法や、ベンダー接頭辞付きの CSS プロパティの注意点などがまとめられています。

WebGL best practices
edvakf さんのブログでの翻訳を marsf さんが移植したものです。WebGL を使ったコンテンツの互換性やパフォーマンスを高めるために参考になる Tips がまとめられています。

canvas (HTML ElementReference)
lmt_swallow さんによる翻訳です。Element Reference では、使い方の詳細は説明されませんが、基本的な仕様や、ブラウザの互換性についての情報が提供されています。

element.nodeValue (DOM Reference)
dextraさんによる翻訳です。element.nodeValue は、ノードの値をを返すメソッドです。テキストノードなど、値を持つノードから呼び出さないと意味がないので、実際には、element.firstChild.nodeValue などのように使います。

WeakMap (JavaScript Reference)
sanayuki_s さんによる翻訳です。WeakMapは、JavaScript の弱参照の試験実装です。弱参照を用いることで、メモリリークの防止などが可能になります。

MDC-ja 通信について

MDC-ja 通信は MDN Doc Center (MDC) とその日本語版の現状およびその関連情報をお伝えする通信です。

原則として、Firefox の最新版がリリースされた週の土曜夜〜日曜夜に発行予定です。次号は 3 月 17 日 or 18 日発行予定です。

この通信について、ご意見、ご要望がありましたら、potappo、または、MDC 日本語版 ML までお気軽にお寄せください。